2019年5月8日水曜日

Craft Rite ブラックフルグレインスリッポンクレープソールシューズ

 米国50年代の靴の特定のスタイルでユニークさが特徴なのがスリッポンシューズです。
 ローファーやレースレス、その全般や特定のスタイルをスリッポンなどと呼んだり解釈は様々ですが、要するに手を使わずに簡単に着用出来る靴の事でありloafer =怠け者、laceless=紐なし、slip=滑る、してon=装着、するという英語や隠語から来ている事は間違いありません。靴の一般的な呼称にしてしまうのは楽観的で当時唯一の裕福な国、米国らしさだと思います。
 表革のフルグレインやスエードレザーなどを甲材に使い、当時の物は各社似ている点があるものの様々なデザインまたは装飾を施したスタイルが確認出来ます。型や色そして甲材が保守的な物を紳士層を中心に、また主に若者に向けて革新的な型や当時の流行の色や淡い色そして2トーンコンビ(ネーション)などが販売されていた様です。
 今回小社が紹介販売させて頂くのは甲部蛇腹リブ付きクレープソールスタイルの物です。これは55年位から登場する様ですが当時全米を席巻していた音楽、ロカビリー、ロックンロールの流行の時期と重なります。だからロックンロール的に思えるのかそれともロックしていたティーンエージャーが履いていたからロックンロール的になったのか、当時を知らない私達はそれを考えるだけで楽しくなってしまいます。また見た目と実際の幅広さや気軽に着用出来る爽快さだけでなくクレープソールという当時の革新的で軽量感があり物理的な快適さにも特徴があった素材もこのスリッポンを魅力的にする要因の一つだと思います。
 しかしながら結果的にこの"ロックしていた"甲部蛇腹リブ付きスタイルもトラディショナルな紳士用ブローグのレザーソールのスタイルを除いては新しい時代と共に姿を消してしまった様です。
 当時の通信販売カタログは甲部蛇腹リブ付きを各社多数掲載し、またヒットチャートを賑わせていたミュージシャンも着用しその画像も存在していたにも関わらずなぜ流行から消えてしまったのか。また単に米国でもキングオブロックンロールを生みそのヒルビリーキャット(田舎者)が集中的に公演"ドサ廻り"をしていた南部で流行ったとしても大都市で映画やエンターテイメントの都の西海岸やこのジャンルの音楽が少し出遅れた感があったもののファッションでは世界の中心地だった東海岸などでは南部的だったという理由で受けなかった為なのかなど推測が尽きません。
 70年代初期から80年代初期に英国で起きた米国フィフティーズのリバイバルの中でもスリッポンが取り上げられましたがある程度稀であったと思います。その反面とても日本人のテイストに合っていたのか甲部蛇腹リブ付きスリッポンが80年代初期から90年代に掛け遠く離れた日本で多数紹介されていました。
 小社の製品は2010年頃発売を予定しておりましたが工場の処遇の問題もあり今回遂に販売する事が可能になりました。小社製品は独自の型紙、甲材資材を使用して製作し直近の他社製品とは全く関係がありません。
 甲材は米国50年代多くの靴同様に牛に顔料を施し特注致しました。小社も前述の販売予定時はスエードやバフ、ナップ(毛羽立ち)素材で販売予定でしたが他社との類似を避ける為カスタムレザーを製作したのは事実です。またこの前のスタイルの靴はスエードを使用した為新たな挑戦としてこちらの甲材を選択致したのも理由の一つです。それはスエードやバフ、ナップは簡潔にいうと一般に出回っている革でも見た目がクラッシーな為50年代の雰囲気を出しやすくその上カスタムで製作する手間も省けある意味安く上がりなハイエンドな風采の便利な甲材だったのです。
 またウェルト、通称コバはあえてゴムを使用せずに革の物を使用致しました。やはりゴムは耐久性の点などにある程度不安があり革の方がグッドイヤー製法には適していると判断した為です。グッドイヤー製法とはいくつかある靴製作方法の一つです。今回の甲部蛇腹リブ付きスリッポンの場合はヒールやソールを交換する場合は最も安価で出来、それに加え汗や着用によって磨耗劣化したインナーソール交換を希望の場合はグッドイヤーの特徴であるウェルトも含め全て交換可能という事になります。その際は縫い付けてある糸を外しまた新しい部品資材を新しい糸で縫い付け直すという効率的な手段が取れ、アッパーとその内張以外は新品に交換出来ます。すなわちまた一から新品の様に着用する事が可能になります。その上ある程度安易かつ安価に処置して頂けるという好条件も含まれています。
 それともうひとつ革ウェルトを使用した理由がありますがそれとその特別版の画像は後日こちらで紹介させて頂きたいと思っております。
 そしてソールはcrepe。厳密にいうと小社が使用したのは米国50年代のスリッポンのクレープソールと同等のスポンジソールです。全く同じではないと思いますが素材感や耐久性は同様です。当時の物は大手化学繊維やゴム、ソール資材関連会社がcrepeとして製造販売していた事が確認出来ます。また昨今クレープは生ゴム感のある物がそう呼ばれている様です。
 今回小社クラフトライトのスリッポンは米国某デパートの55年の製品を参考に致しました。

¥39991(税抜き¥37028) 国内送料無料 
サイズ US7(日本サイズ25), 8(26), 9(27), 10(28), 11(29)

詳細
カスタムメード黒色表革フルグレインレザー甲材(アッパー)
レザー&帆布キャンバスライニング&レザーインナーソール
白色スリットウォールウェルト(コバ)
CREPEスタイルスポンジ樹脂製ソール&ヒール
グッドイヤー製法
コットンネルシューバッグ付属
日本製

その他不明な点がありましたらご連絡を下さい。

どうぞ宜しくお願い致します。













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