2018年10月14日日曜日

ビンテージ資料から判明するその時代の流行2

 以前小社ブログで50年代の米国の靴でその時代特有の昨今の流行からすると少し掛け離れたデザインや型の物が時々確認出来るとお話し致しました。
 今回その事を念頭に置きながらどの様な商品を御提供出来るか模索しておりましたが、幸運にも資料として所有していた当時の同型の靴と米国通信販売カタログを参考にし最初の短靴をご紹介させて頂きました。
 その参考となったジッパーフロントスリッポンシューズは偶然にも当時流行していたダークネイビーのブルースエードレザーを甲材に使用しています。
 ジッパーの形状も所有の物と同様の真鍮製ベル型(扇型)を使用致しましたが、当時の米国のオリジナルは長方形の棒型もありまた50年代初期頃の物には変形扇型を使用していた事も確認出来ています。小社製品で使用したジッパーは日本製でありまたその綿テープも同様で力織機で製作され耐久性に問題はありません。
 甲材に関しては当時のこのデザインはスエードだけでなく表革いわゆるグレインレザーの物も確認しております。
 またウェルト(通称コバ)は資料同様のダブルステッチ(通称ダブルコバ)を用いました。そのウェルトに関連する製靴法はこちらも資料同様のグッドイヤーウェルト製法であり着用時の快適さと共に幾度もヒールまたはソールの張り替えが可能な耐久性も兼ね備えております。
 そして底材ソールは樹脂製をあえて使用致しましたがレザー製の物も確認しております。
 米国の50年代の靴のデザインに魅了され続けられている皆様と同様に私も、何とも理にかなう説明が出来ないのですがこのデザインにとても引かれ続けています。しかしながら他の50年代特有の靴と同様にこちらも一時的な流行となりその後は人々の記憶から忘れられていく事となりました。


今回資料にした50年代のジッパーフロントスエードスリッポン

50年代の米国通信販売カタログのジッパーフロントシューズ

50年代のサイドジッパースエードスリッポン

50年代のカウボーイウエスタンスタイルのサイドジッパー表革

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